研究者発の海の話研究者発の海の話

大槌ラバーズ(大槌を愛するひとたち)─ 大槌の児童・生徒と海洋研究を繋ぐ意識 ─

掲載日 2019.03.27
東京大学 新領域創成科学研究科 教授 斎藤 馨

岩手県大槌町は、震災後の2013年4月から復興・防災を基盤とした「生きる力」と「ふるさと創生」を柱に、教育課程特別校指定を受け、「ふるさと科」を開始しました。そして2016年4月には、町内の小中学校を小中一貫校の大槌学園と吉里吉里学園の二つを設立し、一貫校の特徴的科目に「ふるさと科」を位置づけ、全学年を対象に地域の自然・産業・文化・歴史に防災を含めた教科として授業が進められています。

大槌学園ふるさと科

ふるさと科には全ての学年で年間80時間が当てられていて、①地域への愛着、②生き方・進路指導、③防災教育の3本柱を掲げ、「ふるさとを創り、ふるさとに生きる子どもの育成」を目指しています(大槌学園2015)。①については、各学校区にある伝統・文化・自然を活用した学びを、②については将来の夢や希望を育む学びを、③については、命の大切さを考え、主体的に判断すること、行動することを重視し、各学年毎に具体的な授業を実践されています。いずれも教諭による授業に加えて、地域の方々が多様な形で参加し教諭と協力して構内と郊外での体験授業も展開しています。

沿岸センターとふるさと科

大槌町には、沿岸センター(東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究)は、町内の児童生徒に海の日に開催される沿岸センター公開の事前見学会に招待したり、センターで行われている海洋研究の紹介をしていて、ふるさと科にも関わっています。

まんが「大槌ラバーズ」作成

ふるさと科の①②について、ふるさとの川や海、そして芸能の良さに気づき、ふるさとで海洋研究者という生き方もあるということをイメージしてもらえるまんがを製作しました。

大槌学園の児童・生徒とその家族の方に、ふるさとへの愛着を呼び起こし、東京大学と海洋研究への意識を繋ぐことができればと製作しました。

読んでみてください。

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※東京大学海洋アライアンス・イニシャティブ「海・里・森の沿岸環境学習授業案の開発と事業実践 - 大槌学園ふるさと科で発信する自然・文化・産業・防災 - 」(2017年度後期)の活動をもとに執筆しました。

Contents
研究者発の海の話
海の女性ネットワーク、Women for One Ocean:海洋の将来を考えるために
海と人との関わりを探究する授業作り
漁村の過疎化は海洋生態系の管理体制に影響を及ぼすか
離島漁業の振興に向けた海洋環境変動の評価 ー海水中に含まれる粒子状有機物起源の検討ー
セーリング選手の役に立つ気象海象予測システム
海のメダカで環境汚染を調べる
大槌ラバーズ(大槌を愛するひとたち)─ 大槌の児童・生徒と海洋研究を繋ぐ意識 ─
水中ロボットの測位の話
深海の温泉をめぐる貝の旅
急激な地球温暖化が海洋生態系へ及ぼす影響を化石DNAで復元する
海溝というもの
大学における学際海洋教育を推進するための基礎データ
島嶼(とうしょ)における海洋保護区のあり方と意義
海洋生物の多様性保全と利用を考える
海を守る、地球を守る
我が国の離島の保全・管理や振興
海面上昇に対する沖ノ鳥島の維持
「海」から展開する情報プラットフォームとネットワーク
海洋深層水の利用
うみあるきとは?-システム開発の目的と方針
現代の海賊問題と日本
沿岸域利用についての合意形成メカニズムの評価検討
次世代海洋研究者の育成
陸と海のつながりと海洋生態系
大学における学際的海洋教育研究
漁業をまもる先端技術
海底に眠る鉱山—熱水鉱床
海洋に関わる諸活動のコスト・ベネフィット評価
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